大前田栄五郎の台詞
「侠客国定忠次一代記 11.叔父御は大した貫禄だア」より大前田栄五郎の台詞
天保4年(1833年)7月、大前田栄五郎(英五郎)親分が百々一家の親分、国定忠次(忠治)を訪ねて来ます。6年振りの再会でした。
その日は丁度、境宿に絹市が立つ日で、忠次は栄五郎を伊勢屋で開かれている賭場に案内します。大親分の栄五郎がどんな勝負をするのか、忠次は期待を込めて見守っていましたが、栄五郎は気持ちのいいくらいの負けっ振りでした。
「いいか、忠次、堅気の衆と勝負する時は、決して勝っちゃアいけねえよ」と賭場を出た後、栄五郎は忠次に言いいます。
「俺たちゃア、堅気の衆におマンマを食わせて貰ってる身だ。おめえも旅先で賭場に出入りする事もあるだんべえが、親分と呼ばれる者が旅先の賭場で稼ごうなんて料簡(りょうけん)を起こしちゃアいけねえ。旅先の賭場では気前よく負けてこそ、親分の貫録ってえもんだ。覚えておけ」
「へい‥‥‥」と忠次は栄五郎を見つめながら頷きました。

- 侠客国定忠次一代記
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